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聴覚障害ははたして「身体」障害か
障害の区分
週末に読んでエントリーした「障害者は、いま」を読みながら、思ったこと。
障害者を大きく分類すると、「身体障害者」と「知的障害」、「精神障害」の2区分(あるいは3区分)これは、障害者に関する事業としての国の施策がそうなっているのが大元なのだろうと思う。根っこをたどれば、法律だろうか。
僕もこの方面は、大学の時、社会法を少しだけ学んだくらいなので詳しいことは分からないし、割と関係法がその後に整備された新しい面もある。社会福祉系の学部なら当然、きちんと勉強されていると思うが、ここでは位置づけを学ぶのが目的でないので、これ以上は深入りしない。
(※以下も含めて、定義的に正確でない点は多いと思うけれどご容赦を。)
国や自治体でも身体障害者担当課(係)と精神薄弱障害担当課(係)に分けられている(いた)ように、行政レベルが出発点になっているようだ。
さらに身体障害者を部位別に区分すると、視覚、聴覚、肢体・・・といった具合になる(きちんと説明するなら数ページかかりそうなのでこれも割愛)。
身体的欠損、機能代替が目的というより
この「身体」と「精神」障害という分類についても、また、部位別区分についても、「そういうもの」として疑問に感じてこなかったのだが、本を読みながらあれこれ考えている内、標題のような疑問がわいてきた。
ちょうど昨日は県の障害者スポーツ大会も開催されていた(選手、関係者、ボランティアの皆さん、おつかれさまでした)。これも以前は「身体」と「精神」に分けて行われていた(国の大会が一本化されたのにあわせて今は一緒になった)。
これらの区分の仕方については、きっと問題も多々ありそうだが、僕も自分の「聴覚」障害が、果たして身体障害なのかと思えてきた。
確かに、「耳」の機能の欠損であるから「身体」の一部の障害であることは間違いない。ただ、「目に見えない」障害というように、普通には身体の障害とは想像しにくいところがある。手や足や目がなければ困る他の障害に対して、外形としての耳自体は、それが多少、欠けていても(なくても)問題ないことも多い。
また、身体障害者にとってのスポーツは、特にリハビリ的な側面が大きいと思う。身体の一部(の機能)を失っても、それに代替するものを身に付ける過程として、スポーツがちょうどいいエクササイズになってくれる。理学療法的にもかなっている。
ところが、聴覚障害の場合、スポーツすることに直接のハンデはないし、スポーツが聴覚そのもののリハビリや身体的訓練になることもない。確かにきこえないとチームプレーで連携がとれないことや、状況によっては危険を回避するのに致命的な点もあるのだが、一般には健常者並みに充分、できる。むしろ、スポーツが好きな(得意な)聴覚障害者は多い。
それゆえ、障害者スポーツ大会の場で、普通に競技できる聴覚障害者の存在はちょっと異質なところがある。見ている人に分かりにくい。聴覚障害の区分のないパラリンピックが普通に受け入れられ、聴覚障害者には別にデフリンピックが用意されている。
「身体」的カバーが求められるのでなく
四肢に障害のある人が車椅子や義足や義手や・・・でスポーツ(競技)することは、競技そのものと合わせて、障害部分を健常な足や手や・・・に代替させるリハビリ的要素、カバー的な要素を身に付けて、日常生活に役立てるところがある。
一方、聴覚障害はよくいわれるようにコミュニケーション障害。聴力が多少でも残っていれば、残存聴力の活用という面もあるが、「身体」そのもののリハビリ(カバー)が必要なのでなく、外界に対して、とりわけ「対人」関係においての困難を取り除くことが最大の障害克服ということになる。
そうすると、障害者スポーツ大会に準ずるものとして、聴覚障害者には別のリハビリ的な大会があっていいかもしれない。残存聴力、補聴器を活用してのききとりであるとか、相手の口を読み取る読唇であるとか、あるいは発声の評価だとか・・・。障害の軽重に応じて、スポーツのように讃え合えるような場が。おかしな話とは言い切れない気がしてきた。
人間の輪、話の中に
もっというと、それ以上に人との関係において、集団において、社会の中でコミュニケーションをとりながら対人関係を築いてゆけるかどうか。これはきこえないことに限らないだろうけれど。
ただ、やはりそれらはスポーツとは違い、「競う」ことには適していないし、無論、勝負だとか判定だとかにはそぐわない。聴覚障害者の場合、耳そのものの代替機能を求めることは難しい。どこまでも人間の輪(話(わ))の中に、入ってゆけるかどうかということが問われてくる。
そういうことを考えていて、「身体障害」という言葉に──特に異論はないけれど──これまで疑問を思わなかった区分に、どこかうなずきにくい、妙な感じが残ってしまう、と思って触れてみた次第である。
2007-05-21










聴覚障害と身体機能について調べてみましょう。
色々分かると思います。
視覚や体性感覚によって代償されていて、
日常生活レベルでは分からないケースも結構あるのですよ。