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ネットがあれば履歴書はいらない
ウェブ時代のセルフブランディング術
連休用に買った2冊の佐々木本。こちらは今年1月刊行と新しい。先に読んだ「仕事するのにオフィスはいらない」で社会が総フリーランス化する時代になっていると説いた続きで、ならばウェブの普及した今の時代は「自分のことを人に知ってもらう」ことに積極的に取り組もう、ネットで自分をブランディング(自分の価値を広める)しようというのが本書の主旨であり、また、そのためのネット関連のツールやノウハウが記されている。
「仕事するのに──」よりこちらの方が中身も充実していて面白く読めた。
総フリーランス化やギルド社会の復活、というのはITジャーナリストとしての著者の立場からすれば力説するのは分かるにせよ、そう簡単な社会の変化もないだろうと思えるし、それに備えてのセルフブランディング術についても既に個人稼業の方が当然に努力している人達や以外では、元々が自己PRの得意で野心的な人も限られるだろうと思う。
検索エンジンに自分の名前が上位に表示されるための方策、SEO対策、特に何よりツィッターの活用・・・と細かに指南される後半は本書でも触れられる「mixi疲れ」同様に、「これを本当に実行するとなるとかなり疲れるだろうな・・・」と僕にはだいぶ引けてしまえた。
前回同様、そうした極論に振れがちになる点はあるにせよ、随所に紹介されている実際の事例や著者の考えには共感できる面も多かった。
情報発信を恐れない、恥ずかしがらない
僕自身、本名も素顔も(笑)素性を特に隠すこともないサイトである。今はなぜかページがないままとなっているけれど、8年前に開設したホームページでは当初から実名のプロフィールも掲載していた。
本書で強調されているとおり、文が下手でも、少々の恥ずかしさはあってもブログを書き続けることのメリット、すなわち応援やアドバイスや・・・といった厚意をもらえることのとても大きいことは身をもって経験してきている。素性をオープンにすることの特に不都合のないことも同意できる。
「何でもいいから発言をする。それは必ず誰かが見ていたりするもの」
その誰かを今いる人だけに想定するのはもったいない。それは未来の誰かでもあり、その人を連れてくるのが検索エンジンだったりするのだ。その「誰か」を想定して記事を理解してくれる人の範囲を狭めることは自分にとっていいことではない。
「何ものでもない自分が発信し続けたところで意味がない」と感じる人がいるのも理解できる。それは間違い。
1日に300人読まれる記事を一度書いたときと、1日に一人に読まれる記事を300日書き続けたときのラインが結ぶ面積は同じ。この面積はロングテール理論と全く同じでウェブならではの乗数効果。
一番、最後の節で特にツィッターの気軽さ、ハードルの低さを示すために「ブログは講演会場、ツィッターはパーティー形式の立食会」と例えられているのにも「なるほど」と面白く共感できた。
僕自身、以前にホームページからブログに移行する際、ホームページは整理された本棚であり図書館であり、対してブログはどんどん新しい情報を書き足してゆく(整理や分類には注力しない)新聞でありチラシであり・・・といったことがあるけれど、ブログが講演会とはよくいったものだ。
確かにブログが気軽に書ける、ひと頃は「日記風ホームページ」と称されていたとはいっても、いざ書くとなるとそれなりの気構えがいる。タイトルを考えたり、起承転結を考えたり、推敲もするし・・・と。
まあでも、それはそれで鍛えられている。もとよりビジネスにつなげることもセルフブランディングのつもりも全くない、本書の指針からすれば落第点ばかりのこのブログであろうけれど、指向は違えど楽しく続けられている。
満足度:★★★
2010-05-08








